社会保障のあり方 2011 1 8

 私は、今年1月3日に、社会保障のことを書きましたが、
これが、いきなり財源論に飛躍してしまうことは、
短絡的と言わざるを得ないのです。
 こうした財源論の前に、社会保障のあり方を議論すべきです。
この議論は、必ず、なるべく多くの国民の意向を聞くべきです。
日本は、「お上が決めたから国民は従え」という方式が多すぎます。
これでは、中国と同じになってしまいます。
こうした社会保障のあり方は、国民的な議論が必要です。
 高負担・高福祉がよいのか、低負担・低福祉がよいのか。
あるいは、第三の道である大家族主義に戻るのか。
 さて、いまさら、大家族主義に戻るというのは、
自由主義国家である日本では無理で、
選択肢として、実現性がないと思ったでしょうか。
 しかし、税制で誘導する手法があります。
税制というものは、単に税収を確保する方法だけでなく、
国家が実現したいと思う方向に国民を誘導する手法として使えるのです。
(たとえば、省エネルギーや二酸化炭素削減に税制を使うなど)

社会保障 2011 1 3
 中国人も中国政府も、反日か親日かは別として、
日本をよく研究していると思います。
 たとえば、日本衰退の原因は、
プラザ合意にあったのではないかと分析していると聞きます。
 しかし、これは、一面的な見方に過ぎないと思います。
実は、この数十年、日本の最大の苦悩は、
社会保障制度の確立と改革につきると思います。
 日本の国家予算に占める社会保障の費用は、
あまりにも巨額であり、
それが原因で国家破綻になるのではないかという評論家もいます。
 大家族主義だった日本の家族制度が、
核家族に移行するにしたがって、
社会保障の費用が増えたという側面があります。
 なぜならば、大家族主義は、福祉の機能も持っていたからです。
こうした大家族主義が崩れれば、必然的に国家が福祉を行う必要があります。
 さらに、社会保障の悩みを深刻化させているのが、少子高齢化です。
少子高齢化は、人口ピラミッドがひっくり返ることを意味します。
これが、どれほど社会保障制度に深刻な打撃を与えるか。
 中央政府も地方政府も、今頃になって、あわてて、
子供は3人作りましょうと、旗振りしていますが、もはや後の祭りです。
 日本人は、とてつもなく高い税金で充実した福祉制度を持つ
北欧のような制度を選択しないでしょう。
 しかし、低い税金では、大家族主義が崩壊した今、厳しいものがあります。
老後に備えて貯蓄に励むのか。
少子化を止められるのか。
そもそも社会保障制度は、どうあるべきなのか、日本の苦悩は深い。
 日本人にとって、高負担・高福祉も、低負担・低福祉も、
どちらも正解ではないと思います。
しかし、第三の道である大家族主義に戻るのも、
一部の地域では可能でも、日本全体では難しいと思います。
 そう言えば、アメリカも、似たような話を聞きます。
ブッシュ前大統領は、何を悩んでいたのか。
イラク戦争だけでなく、実は、年金改革だったという話を聞いたことがあります。
 その後、この話は、どうなったのでしょうか。
アメリカでは、オバマ・フィーバーに明け暮れて、
こういうニュースが入ってこなくなりました。
アメリカ人は、酔いがさめれば現実に気づくのか。



















































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